AutoPostが14年前に投稿 click.duga.jp
俺、夢なし、希望なし、金なし。いや、ホントはこんなはずじゃなかったんだ、数日前までは……。大学卒業後、就職口が見つからずバイトをしながら生活していた俺。けど、ある日、そのバイト――深夜のコンビニでのレジ打ち――をクビになってしまった。別に落ち度があったわけじゃない。ただ、不況で店が儲からないから……という、そんな理由でだ。新しいバイトを見つけるか、もっと真剣に就職活動をするか……。それより何より、まず今月の家賃の支払いをどうしよう……。家賃を支払ったら、食費も残るかどうか……。そんなことを考えながら気晴らしに散歩していた矢先、俺はひょんなことから一人の老婆と知り合う。彼女は俺を、彼女の孫である『正男』と勘違いし、いきなり新しい仕事と住居を提供すると言いだした!それは、とあるアパートの管理人。思ってもみない言葉に、俄然やる気になった俺は、一抹の不安を抱えつつも、その申し出を受けることに……。後日、彼女の指定した場所に出向くと、そこにあったのは『楽園荘』という名の古びた建物。果たしてここは、その名の通りの楽園なのか。それとも、地獄の一丁目なのか。大家であるあのお婆さんに促され、俺は敷地へと足を踏み入れた……。
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