AutoPostが14年前に投稿 click.duga.jp
霊ヶ岳学院に勤務し始めて、まだ二ヶ月の体育教師『風間勝利(かざまかつとし)』。彼は半年前に妻を事故で亡くし、男手一つで娘を育てていた。ある日、勝利の祖父が事故に合い、全身を強打して動けなくなってしまった。勝利は身寄りのない祖父を引き取ろうとするが、祖父はその申し出を頑固に反対する。仕方なく、勝利は動けるようになるまで祖父の元で看病することにした。だが、娘がようやく友達のでき始めた学院を離れたくないことに気づき、勝利は悩む。これといって親しい友人も同僚もおらず、親戚すら連絡がつかない。自分の人付き合いの悪さを今更ながらに嘆いていた、そんなとき。ひょんなことから、勝利は『緒方星四郎(おがたせいしろう)』という保健医に出会った。酒を酌み交わしながら悩みを相談する勝利は、星四郎にしばらく自分が娘の面倒を見てもいいと持ちかけられる。そして自分が学院の経営者であることを明かした星四郎は、驚く勝利に職員の寮として使っている、自分の住むマンションの隣室に、引っ越してくることを勧める。星四郎の申し出に強い感謝の意を表す勝利。そして勝利は、愛しい愛娘『琴子(ことこ)』を星四郎に預け、安心して祖父の看病へと向かう。だが、勝利は気づいていなかった。『緒方星四郎』は、この世で最も極悪な、この物語の主人公であることに──。そして、永遠に終わることのない琴子の留守番が始まる。
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