AutoPostが15年前に投稿 click.duga.jp
天涯孤独な身の上の主人公、湯築恭介は中堅商社に勤務するサラリーマンだったが、所属部署の部長が不正を働いているのを知り、その事実を出世の糸口としようと動き始めた矢先に、部下のOLの裏切りにより、部長にその事実を知られ直属の課長により、部長の不正の責任をその身に押しつけられた挙げ句、懲戒解雇という最悪の形で職を失う。30半ばでの再就職はままならず、カードは停められ、公共料金や家賃も滞納し、自身の前途に希望を見出せぬ苦境にあった。いつのまにか自殺を考えている自分を発見し、滂沱と涙する恭介。一体何故、どうしてこうなってしまったのか。やがて、涙は悔恨のそれとなり、怒りのそれへと変わった。すべてが憎い。いいだろう。死んでやる。だが、ただでは死なぬ。俺をこんな苦境に陥れた者たちに、これ見よがしに幸せの約束された人生を謳歌する者どもに、俺の味わった以上の屈辱と絶望を与えてやる。嗚咽はいつのまにかくぐもった笑い声になり、やがて哄笑となった。美しき贄どもよ───脅え、狂い、よがりながら堕ちて逝け。
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