AutoPostが15年前に投稿 click.duga.jp
呆然と……本当に呆然と、その光景を眺めていた。けたたましく鳴り響くやかましいほどのサイレンその音に引きつけられるかのように集まってきた野次馬。そして……目の前で燃えている新居。その時――突然、携帯が音を立てる「誰だよ……こんな時に」「……叔母さん」話せば長いが……どうする……電話にでるべきかでないべきか考え込んでいると、電話が切れた留守番電話に切り替わったらしい何の用だろうか……結局何の用だったのか分からずじまいだった「なんだよ……ったく」「あの、すいません」不意に声をかけられて、そちらを振り向いた「はい?」かなり不機嫌な表情で振り向いて――一瞬に丸くさせた「――かっ?!」母さん――そう言おうとして、慌てて口をつぐむ。目の前に、死んだはずの母さんがいた。いや――違う母さんのはずがない。母さんは確かに死んだんだ。「あの……薫君、よね?」驚いているのをよそに、尋ねるように首を傾げて、女の人は名前を聞いた。「ああ、ごめんなさい。私は天野由佳子。あの……篠原薫……君よね?」これが、俺と叔母さんとの出会いだった。この日が、俺の人生を一変させたのだ。
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