AutoPostが17年前に投稿 click.duga.jp
進也が猛吹雪のせいで学校が休みになる、という連絡を受けたのは当日の朝だった。急いで次の番に回すものの、肝心の相手はすでに登校済み。後で文句を言われるのもシャクなので、その相手──和泉絢に直接言おうと家を出る。あわよくば、通学途中で捕まえようと思いつつ。だがその願いも虚しく、結局学校まで来てしまう。外の吹雪は猛威を振るい、降雪量もさることながら、視界はほぼ失われていた。こうして、進也を始め幾人かの学生と教師が、陸の孤島と化した学校で非日常的な生活を強いられることになる。特にすることもなく、必然的に時間を持て余す一同。その間隙をついて絢が提案したのは、この学校に伝わる七不思議を探索しよう、というものだった。しかし彼らは知らなかった。好奇心が猫を殺すことを。フタを開ければ、半分の確率で猫が死んでいることを。彼らが出会ってしまったのは、不可思議な現象や奇蹟ではなかった。それは──彼ら彼女らが目を逸らし続けてきた、「向き合いたくない別れ」であった。その事実と直面してしまうことを、この時の彼らは、まだ知らなかった。
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