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2-G 健やか牛乳 あらいぐま 水上凛香 あしおと 椎名ヒサシ 佐倉悠 水無月セツオ アドベンチャー
悪が栄えた試しはないという言葉があるが、20XX年、悪は多いに栄えていた。正義がいる所、悪がいる。その2つは水と油のように反発しあい、相手憎しと躍起になって力を付けようとした。正義の企業と悪の企業は互いにしのぎを削ってよい物を作り、正義のコンビニと悪のコンビニは価格競争をしてお客様にお安く商品を提供していった。その結果、悪は世の中の進展に欠かせない存在として世間に認知され、悪の組織は立派な就職先とまで言われる様になった。今の世界には、悪の企業、悪の学校、悪のコンビニ、悪のテレビ局など、悪の組織が町に当たり前のように存在するようになっている。そんな中、世間を騒がせる伝説の大悪人がいた。実は妖怪で何万年も生きているらしい。あのムー大陸を沈めたのもその大悪人らしい。長い眠りから覚めた獰猛な恐竜を素手で倒したらしい。そのような数々の伝説がまことしやかに広まっていた。悪の報道番組でその存在を知った主人公・赤星識は自分も将来は“あの人”のようになりたいと、悪への憧れを強めていった。しかし、悪の戦闘員の両親から生まれ、悪の道を進もうとする彼には大きな欠点があった。それは──どうしようもないくらいの善人だと言うことだった。可哀想で子犬に眉毛も描けない、車の来ない横断歩道でも青信号以外は渡れない。些細な悪事でも、一度も成功した事はなかった……。そんな生活を送っていたある日、尊敬する“あの人”が悪の組織員育成学園の学園長になったと風の噂で知る。識は今までの自分のダメさ加減を払拭しようと“あの人”の元で教えを乞うべく、すぐに転入手続きを取り、邪(イビル)パニャニャンダー悪業学園に転入をしたのであった。
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