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遠藤弓姫は同級生の白雪沙織のいじめに遭い、鬱鬱とした毎日を送っていた。そんなある日、弓姫は校舎裏に佇む祠の祀られた柘榴の木の下で、月夜と名乗る不思議な少女と出逢う。不思議と全てを語ってしまった弓姫に、月夜は「それで…あなたは何を望の?」と問いかけるのだった。自身からの提案は一切せず、あくまで弓姫の口から何をしたいのか、どうしたいのかを言わせようとする月夜。弓姫が「沙織に復讐したい」と願うと、月夜は自分の囓っている赤い真珠のようなザクロの実を一粒口移しで弓姫に与え、初めての唇の感触に戸惑う弓姫に、悪戯っぽく微笑んでこう伝えた。「その実は人の血と肉の味のする柘榴の実。あなたの思いが現実で起こせる、魔法の果実よ」とその不思議な力に魅入られた弓姫は月夜のところへ足繁く通うようなり、そのたびに柘榴の実を一粒だけもらってその能力を自分の欲のために使い始める。やがて、一粒ずつでは我慢できなくなった弓姫はもっと欲しいと懇願するが、そんな彼女に月夜は、「そのためにはあなたの全てを捧げなくてはならない」と告げた。そして…。世にもおぞましく、それでいて甘く切なく嘆美な宴の幕が上がる。
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