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毒は静かに街を浸食しはじめていた。邪な欲望を抱く者たちの間に。誰でも自分の操り人形にしてしまえる、魔法のコンタクトレンズ――『青目』が。ウザい対立相手を、目をつけた女を、思うがままに操れる。こんな便利なものはない。まずは不良たちの間に、魔法は広まりつつあった。海に近い街。その高台に位置する浜ヶ崎学園の入学式。「可愛い子多いな。楽しくやれそうだ」吉峰由宇(よしみね・ゆう)は周囲を見回しうそぶいた。由宇は無邪気を装った悪魔。相手の肉体を、感覚を、感情を、記憶を――。どんな人間でも自由自在にもてあそぶことのできる、強力な精神操作(マインドコントロール)能力の持ち主。思春期の訪れと共に目覚めたその力をもって、由宇は己の欲望を次から次へと満たしてゆく。アーチェリー部の可愛いクラスメート、姫神七聖。新聞部の元気な先輩、星月晶。落ちついた美人の最上級生、胡桃つかさ。由宇の操り人形と化した彼女たちは、言われるままに、嫌がりながら自分の手で服を脱ぎ、あるいは心から喜んで由宇の体を舐め回し、足を広げ――恐怖し、あるいはどろどろの快楽に包まれながら、犯されてゆく。感情も、快感も、記憶も……愛情さえも由宇の意志ひとつで簡単に切り替えられてしまう彼女たちが、この檻から逃れるすべはないのだった。しかし、やがて『青目』の魔の手が浜ヶ崎学園にも伸びる。「ねぇねぇ、青い目の王子様の噂、聞いた?」「すごい美形で、一目で恋に落ちちゃうって」「おい、『ブルー』って知ってるか?」「ああ、どんな女でもコマせる魔法のヤクだろ?でも、それ使うと『青目狩り』に会うって話だぜ」「うん、その女に出会ったら生きて帰れないってな」「……」由宇の能力の前では、『青目』の力など児戯にも等しい。だが、これ以上、操心と愉悦の楽園を乱されるのは気に入らない。邪魔者はつぶす!行動を起こした由宇が、女と出会うのは必然だった。最強無比の力を持つ由宇。『青目』を狩る無敵の女戦士。あらがえない運命の鎖が今、交錯する―――。
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