AutoPostが12年前に投稿 click.duga.jp
淫魔に翻弄され――記憶が、想いが交錯する。呉鏡一は病院のベッドの中で目を覚ました。自分が何故病院にいるのか、いくら考えても思い出せない。自分の記憶が抜け落ちている事にやり切れない想いが募る。そんな入院生活のある日、妹の【鏡華】が持ってきたノートPCにインストールされていた「VirtualWorld」というネットゲームを気まぐれに起動した。すると、突然意識を失い、気が付くと夢か幻か……。自分の身体は、ゲームの中の様な不思議な空間に立っていた。新技術で作られたネットゲームなのかと思い、ゲームの中の散策を開始する鏡一。その中で【インソムニア】と名乗る少女に出逢い、導かれるままにその世界の人物を殺してしまう。ゲームを終えた後、少女は別れ際「また二人きりで逢いましょう」と呟くと、鏡一は現実世界に引き戻された。その日鏡一は、それきり彼女に会うことは出来なかった。翌日。新聞の片隅に鏡一の通っていた学園の教師が死亡したとの記事が載った。さらに月日は過ぎ、鏡一は退院することが出来た。退院した夜、親から別の学園に通う事を勧められる。既に転入手続きの済んだその学園のパンフレットには、家からは通うには少し遠い住所が記載されていた。どうやら一人暮らしをしながら通学する事になるらしく、その為のマンションも用意されていた。記憶をなくした鏡一には元いた学園は、なんの愛着も無く、その案に反対する理由も無かった。新居となるマンションへと引っ越すと、何故か【鏡華】が「病み上がりで心配だし、元の学園はそんなに面白くない」と、ついてきてしまう。こうして、転校先での新たな学園生活、兄妹二人きりの生活が始まる。そして……不思議な世界で見た【インソムニア】との再会が、鏡一達の運命を狂わせていく。
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