AutoPostが12年前に投稿 click.duga.jp
平穏で平凡な、そんな学園生活。八代拓海もまた、そんな日常を謳歌している一介の学生に過ぎない。幼馴染みだった塚原麻衣子の転入、旧来の友人であった和泉宗一との軋轢。日常の中にも些細な波を数え出したら切りはないが、それでも概ね、平穏な毎日と言えた。終末を謡った宗教団体、町を騒がす通り魔事件。それらは日常を脅かし、身近な人間をも巻き込んでゆく。けれどやがてはそれすらも、日常の一部になってゆくのだろう。そんな確信にも似た思いを、八代拓海は抱いていた。けれど彼は知ることになる。日常というものが、如何に危ういバランスの下で成り立っているのかを。その始まりは、とある休日の、とある晩の。とてもとても長い『夜』のことだった――。
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